いま、日本で最も売れている車といえばホンダのN-BOXです。1年で一番車が売れる3月には、なんと約26,800台もの販売実績を叩き出しました。実は、そんなN-BOXの背後に忍び寄る車があります。それは、スズキのスペーシア。最近では月10,000台以上を販売し、N-BOXに続く第2位の座をキープしています。
N-BOX、スペーシアとも、背の高いボディにスライドドアを組み合わせた「スーパーハイトワゴン」。それぞれ比較してみましょう。
今回は、ホンダN-BOX がG・EXホンダセンシングの2WD車(車両本体価格159万6240円)、スズキスペーシアがハイブリッドXの2WD車(車両本体価格146万8800円)を比較します。どちらも装備の充実した上級グレード・自然吸気エンジンを搭載したノーマル仕様をチョイスしています。
■カタログで比較
両車のボディサイズはほぼ同じですが、デザインは方向性が大きく違います。カタログ上、パワーはN-BOX、燃費はスペーシアが優位。今回比較した2車の価格差は約13万円。この価格差を生んでいる要因は、N-BOXの助手席のロングスライド機構と安全装備です。どちらも各社の安全システムを標準装備していますが、スペーシアはN-BOXに設定されているACCなし。これはスペーシアが劣っているというよりも、N-BOXが充実しすぎていると言ったほうが適切かもしれません。
■実際の乗ってみて比較
自動車評論家の萩原文博さんとカルモマガジン編集部の二人が東京から浜名湖まで片道250kmのロングドライブで検証。萩原さんの感想はこちら。
「パワーと燃費についてはスペーシアの実力はすごいです。少し制御に荒い部分がありますが、王者・N-BOXより確実に優れています」
「N-BOXはどの速度域でも安定感の高い走りを披露しましたね。スペーシアは、街乗りではN-BOXと同等の乗り心地を実現していますが、高速など速度域が高くなるとやわらかめにセッティングされたリアのサスペンションの問題なのか、やや大きめの挙動となって表れることがわかりました。足回りは、ステージ問わずN-BOXの圧勝でいいんじゃないでしょうか」
「雨が結構強く降っていたのにもかかわらず、N-BOXのホンダセンシングは、一度もキャンセルされることなく、高速道路での追従走行が行えました。この点は、やはりカメラとミリ波レーダーという2つのデバイスを使用しているアドバンテージを感じました」